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底地売買の手順はどうするのがよい?相場や注意点とともにご紹介

底地売買の手順はどうするのがよい?相場や注意点とともにご紹介

2021/07/21

管理している底地を売却したいと考えてはいませんか?また底地を将来遺産として残すかどうか、悩むこともあるでしょう。底地にはメリットがありますが、状況によってはデメリットの方が大きく、売却した方がよいこともあります。売却をする際、大事なのはあらかじめ底地売買について知っておくことです。そこでこの記事では、底地売買の注意点や相場の算出方法、手順などについて詳しくご紹介します。

底地売却のメリット・デメリットは?

底地の売却は、メリットとデメリットを理解したうえで判断するのが賢明です。また肝心なのが、底地所有のメリット・デメリットをあらかじめつかんでおくことです。

・底地所有のメリットとデメリット

底地所有のメリットは、定期的な収益があることです。底地には借地人がいるので、地代が入ります。また、更新料なども得られます。底地所有のもう1つのメリットは、管理の手間などがかからないという点です。建物の管理は借地人がおこなうので、賃貸物件を貸すよりも手間と費用がかかりません。ただし底地には土地を自由に使えないというデメリットが存在しますし、固定資産税などの税金もかかります。また財産分与時に、土地の相続に関するトラブルが発生することもあります。

・底地売却のメリット

底地を売却することで固定資産税などを支払わなくてよくなります。また、ある程度のまとまった資金が手に入ります。その資金を元手に違う不動産に投資することができますし、不動産とは別の方法で活用することも可能です。毎月の地代だけで同じ金額を手にするのには時間がかかるものです。資産運用のチャンスを逃がさないという意味でも、底地を売却するのは検討に値すると言えるでしょう。また底地のまま財産分与するよりも、現金の状態で財産分与する方が簡単です。現金ならば分けるのに容易ですし、受け取った方にも活用しやすいというメリットがあります。土地に関する相続時の争いを回避できるのもよい点です。

底地を売却するもう1つのメリットは、借地人との関係を清算できるという点です。地主と借地人とは金銭を介する関係であり、場合によってはトラブルが生じることもあります。底地を売却してしまえばこういったことで悩まなくてもよくなりますし、子孫にトラブルの種を残さないで済みます。

・底地売却のデメリット

底地売却のデメリットはさほど多くはありません。地代などの定期的収益がなくなるのはデメリットと言えますが、それ以上にメリットが大きいのが底地売却です。底地を所有することに何らかの懸念事項がある場合は特に、早めに専門業者に相談してみましょう。

底地売却の手順

底地を売却する際には、基本的に次のような手順を踏みます。それぞれのポイントをしっかりと理解し、少しでも高く売れるよう努めましょう。

 

1. 底地の査定を依頼する

底地に限らず、不動産を売却するときの最初のステップは、不動産業者に査定を依頼することです。特に底地の場合は評価が難しいため、底地専門の業者に依頼するのが肝心です。実際の評価額を知ることで、売却したあとの展開をイメージしやすくなります。また売り出し価格を設定する際にも、評価額は役立ちます。

 

2. 売却方法を決定する

底地の売却方法は1つだけではありません。不動産業者に売却するのはもちろん、借地人と直接交渉して売却するというやり方もあります。また、借地権と合わせて底地を売却したり、不動産業者を仲介して第三者に売却したりすることもできます。借地人や土地の状況に合わせ、一番適したものを選ぶのが大事です。どの方法にしたらよいのか判断できないときには、底地の売却に詳しい専門業者に相談するのがよいでしょう。

 

3. 必要書類を揃える

底地を売却する際に、必要となる書類があります。借地人に売る場合と不動産業者に依頼する場合とでは必要書類が異なるので、しっかりと準備するのが大切です。借地人に売る場合に必要なのは「売買契約書」です。契約書には実印を使用します。売買契約書の作成方法などが不明なときには、専門業者やコンサルタントのアドバイスを受けるようにしましょう。また、公証役場で指導を受けるという方法もあります。不動産業者に依頼する場合に必要となる主な書類は次のとおりです。このうち最初の3つは売主本人を証明する書類で、残りの2つは底地に関する情報です。また、抵当権抹消書類などが必要になることもあります。
・身分証明書
・実印
・印鑑証明書
・登記済権利書、または登記識別情報
・固定資産税納税通知書

 

4. 売却する

ここまで準備をしたら、あとは実際に売却する番です。不動産業者との媒介契約や、買主との売買契約の締結を推し進め、売却にこぎつけましょう。

底地売却の相場、どのように算出される?

底地評価額は、更地評価額×(1-借地権割合)という式で算出できます。更地評価額は相続税路線価格×地積で求めることが可能で、相続税路線価格は公示価格のおよそ80%です。借地権割合は国税庁の「路線価図・評価倍率表」で調べられます。路線価図には「390C」などのように路線価が表示されていますが、数字のあとについているアルファベットが借地権割合を表す記号です。たとえばAなら90%で、Bなら80%、Cなら70%などとなっています。またDは60%でEは50%です。 更地評価額を1億円と仮定した場合、借地割合がCの時には1億円×(1-70%)=3,000万円が底地の評価額となります。同じようにAなら1,000万円で、Bなら2,000万円です。ただし実際にこの価格で売却できるのは稀であり、ほとんどの場合これより安い販売価格となります。底地売却の相場は自分で算出することも可能ですが、より正確に知りたいときには専門家に問い合わせるのがよいでしょう。

底地を高く売るためのポイント

底地を高く売るためのポイントは、売る相手と手段を選ぶことです。売却先と手段ごとに次のような違いがあるので、底地や状況に応じて選ぶようにしましょう。

 

・借地人に売る

底地を売る場合、一番高く売れるのが借地人に売却することです。一般的に底地の売買価格は、更地価格の10~15%くらいだとされています。ところが買主が借地人のときには、売買価格は更地価格の50%くらいにまで上昇します。なぜこのようなに高く売れるのかというと、借地人は底地を買うことで土地の所有権を得るからです。土地の所有権があれば、建物の建て替えや増改築を思いのままにおこなえます。また、売却するのも自由です。ローンも組みやすいため、その底地を欲しいと思っている借地人なら更地価格の50%でも購入してくれる、というわけです。 底地を借地人に売却するのはメリットの大きな行為ですが、同時にデメリットも存在します。借地人へ売却するためには交渉が必要です。特に価格交渉で折り合いがつかないと、いつまでたっても売れません。また、交渉がうまくいったとしても、借地人がお金を用意できないようではやはりすぐには売れません。このように、底地を借地人に売却するのはある程度の時間がかかります。そこで焦って交渉を急ぐと、借地人との関係が悪くなりかねません。その結果こじれてしまっては、売れるものも売れなくなってしまいます。借地人に底地を売りたいのであれば、このデメリットについてもよく理解しておくのが大事です。

 

・第三者に売却する

底地は、投資家などの第三者に売ることもできます。すべての底地が投資家に売れるわけではありませんが、利回りの安定している底地ならば、投資家にとっては1つの投資対象となり得るのです。通常の不動産投資には空室リスクがありますが、底地には借地人がいるので安定した収益が期待できます。このように底地によっては投資家にも売れますが、ここでのポイントは投資家と直接交渉しないことです。投資家はある意味不動産投資の専門家であり、足元を見られてしまう可能性があるからです。損をしないよう不動産会社に依頼し、交渉してもらうようにしましょう。

 

・不動産会社に売却する

底地は不動産会社に売却することもできます。不動産会社に売却するメリットは、即金で買取ってくれるのでお金がすぐに手に入ることです。また不動産会社は不動産に関するプロなので、底地を活用するための専門的知識を備えています。借地人や第三者では買取ってくれないような底地でも、不動産会社ならば活用できるので買ってくれる可能性があります。また不動産会社に売る場合、面倒な交渉などをしなくて済むのもメリットです。少しでも早く、しかも確実に底地を売りたいときには、不動産会社に買取ってもらうとよいでしょう。

 

・底借同時売却をおこなう

底借同時売却(そこしゃくどうじばいきゃく)とは、地主と借地人が協力し、底地と借地権を同時に第三者に売ることです。底借同時売却はカップとソーサーにたとえると理解しやすくなります。カップとソーサーは別々にするよりも、一緒にした方が価値が上がるので高く売れます。底地と借地権も同様です。可能であれば、借地人と協力して同時に売ることを検討してみましょう。この場合注意しておきたいのが、売買金額を受け取る割合です。あとで揉めないよう、借地権割合などを参考にしてあらかじめ定めておくのが大事です。

 

・等価交換をおこなう

借地人と等価交換するのも効果的な方法です。底地と借地権を交換し、その土地を2分割して地主と借地人とがそれぞれ所有します。単独名義になるのでお互いが自由に土地を利用したり、売却したりできるようになります。国税庁の借地権割合を基準にして分割するのが一般的方法です。たとえば借地権割合が60%の場合には、地主が40%で借地人が60%を得ます。しかしこの方法には考慮しなければならないポイントが多く、素人には判断が難しい面があります。交渉がうまくいかないときには、専門家にアドバイスを仰ぎましょう。

 

底地の売買の注意点・底地売買の面倒な点とは?

底地売買をスムーズに進めるためには、次のような底地売買時の注意点や面倒なポイントを知ったうえで取り組む必要があります。

 

・底地を買いたい人は少ない

底時売買の最大の注意点は、底地を買いたいという人はそれほど多くはない、という点です。そのため安易に考えていると、いつまでたっても売れないという状況になりかねません。ではなぜ、底地を買いたいという人は少ないのでしょうか?そこには底地のデメリットが関係しています。底地は自由度が低く、購入したとしても土地を思い通りに使えません。そのため高いお金をだしてまで、底地を手に入れたいと思う人が少ないのです。また底地には、借地人との問題がついてきます。良好な関係ならよいのですが、場合によっては手に余る事態になることもあります。こうしたこともまた、底地を買う人が少ない要因です。

 

・底地が共有になっている場合は面倒

底地によっては共有になっていることもありますが、そういった底地を売却するのは多少なりとも面倒です。というのは、共有者全員の承諾がなければ売却できないからです。共有者が多ければ多いほど承諾のための作業が増えていきますし、承諾してくれない人がでてくる可能性もあります。かといってそのまま売却しないでおくと、相続のたびに共有相続が繰り返されかねません。面識のない人が共有者になることで、ますます売却しにくくなっていきます。売りたい底地が共有になっていると判明したときには、専門家の判断を仰いだうえで早めに対処するようにしましょう。

 

・土地の虫食い状態は避ける

借地人と個別に交渉して底地を売却する場合、全員との交渉がうまくいくとは限らず、虫食い状態になってしまうことがあります。虫食い状態の土地は再利用しにくいため、買取り業者にもなかなか売れません。また、虫食い状態のまま財産分与する場合、どの土地を相続するのかで揉める事態もあり得ます。そのため底地を売却するときには、虫食い状態にならないよう手段を講じる必要があります。個別では売却せず、専門業者に依頼して一括で整理してもらうのも賢い方法です。

 

・書類の作成を疎かにしない

借地人に底地を売る場合は、個人間売買になります。個人間売買では、売買契約書があれば特に問題ありません。だからといって書類の作成を疎かにしてしまったり、手続きを簡略化してしまったりすると、のちにトラブルになる可能性が生じます。個人間売買は双方が不動産取引に関して詳しくないケースが多いので、トラブルを防ぐためにも売買契約書の作成はプロに任せるとよいでしょう。

底地の売却は底地に強い専門業者に相談するのがおすすめ!

底地の売買は素人には難しい面が多いので、できるだけ専門家に相談するのが賢明です。ここで大事なのが、相談先を選ぶということです。不動産業者の中には、底地の取引にあまり強くないところも存在します。的確なアドバイスが欲しいのならば底地の売買に精通している、専門業者に相談することをおすすめします。

 

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