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【法律お役立ち情報】第8回 共有不動産の問題点

はじめに

土地や建物は、相続などで複数名が「共有」していることも少なくありません 。共有状態はトラブルになりやすいため、その基本的なルールと具体的な問題点について解説します。

共有の基本的なルール

共有不動産に関する行為は、内容によって必要な同意が異なります。
  • 保存行為(修繕など): 各共有者が単独で可能。
  • 管理行為(賃貸借契約の解除など): 持分の過半数の同意が必要。
  • 変更行為(不動産全体の売却など): 共有者全員の同意が必要。
また、各共有者はいつでも共有状態の解消(共有物分割)を求めることができます

共有不動産に関するトラブル例

  • 売却や管理が困難になる: 共有者の一人とでも連絡が取れなかったり、方針が合わなかったりすると、全員の同意が必要な売却ができなくなります。
  • 居住者が金銭を請求される: 共有者の一人が物件に住んでいる場合、他の共有者から賃料相当額の支払いを求められる可能性があります。
  • 収益分配や費用負担で対立する: 賃貸収入がある場合、その分配や経費負担を巡って争いになることがあります。
  • 共有物分割を請求される: 共有者の一人(共有持分を買い取った業者など)から共有物分割を請求され、訴訟に発展することがあります 。その結果、最終的に物件全体が売却され、手放さざるを得なくなる可能性もあります。

まとめ

共有者同士の関係が良好なうちは問題なくても、関係が悪化したり、第三者が関わってきたりするとトラブルが生じやすくなります 。特に必要がない限り、共有状態は避けるのが賢明です 。相続の際には、遺産分割協議で一人の単独所有とするか、売却して代金を分けるなどの方法を検討しましょう。
■執筆者・プロフィール 戸門 大祐(とかど・だいすけ)戸門法律事務所 代表弁護士
2002年 明治大学法学部卒業
2004年 明治大学大学院 法学研究科修了
2006年 明治大学法科大学院修了
2007年 司法研修所修了(第60期)、弁護士登録(小宮法律事務所)
2014年 戸門法律事務所開設

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